研究課題/領域番号 |
05454330
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
齋藤 英彦 名古屋大学, 医学部, 教授 (20153819)
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研究分担者 |
松岡 明 名古屋大学, 医学部, 医員
小嶋 哲人 名古屋大学, 医学部, 助手 (40161913)
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キーワード | 血液流動性 / Ryudocan / 特異抗体 / 免疫組織染色 / Inhibition radioimmuno assay |
研究概要 |
血管壁には、この血管側因子のひとつであるアンチトロンビンIIIコファクター活性を持つヘパリン様物質(ヘパラン硫酸プロテオグリカン:HSPG)が局在し血液の流動性を保つ一役を担っていると考えられている。我々は、すでに昨年度この血液流動性維持に重要な血管内皮ヘパラン硫酸プロテオグリカン(Ryudocan)のヒト分子コア蛋白cDNAのクローニングの成功を報告している。今回、ヒトRyudocanコア蛋白cDNAのコードするアミノ酸配列をもとにした合成ペプチドを用いてヒト分子に対する特異抗体を作製した。これを組織免疫学的な本分子存在様式の検索に応用したところ、脱盤絨毛トロホブラスト、新生血管内皮に発現が見られたものの、当初予想された正常な血管内皮での顕著な発現は認められなかった。また、大動脈粥状硬化巣においても血管内皮にはあまり発現されておらず、むしろ粥状部問質での明らかな染色が認められた。ヘパラン硫酸プロテオグリカンは動脈内膜肥厚硬化の原因のひとつである血管平滑筋細胞の増殖抑制作用、あるいはbFGFのレセプター補助作用などをもつ多機能分子として注目されており、血管あるいは組織障害部での修復過程に何らかの重要な働きを果たしていること推測された。一方、この特異抗体を用いてヒトRyudocan分子の測定系(Inhibition radioimmuno‐assay法)を作成し、ヒト血管内皮様細胞(EAhy)培養上清でのRyudocan濃度の経時的測定を行ったところ、培養7日目に最高値200pg/mlとなった。今後、より簡便かつ精度のよいELISA系開発を試み、各種血管障害時の臨床検体での検討を通して本分子動態とその病態との関連の解析し、Ryudocanの多機能分子としての内皮細胞機能における役割解析を進めて行く予定である。
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