研究課題/領域番号 |
05555089
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
堀池 靖浩 東洋大学, 工学部, 教授 (20209274)
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研究分担者 |
川村 剛平 東京エレクトロン(株), 総合研究所, 研究員
坂上 弘之 広島大学, 工学部, 助手 (50221263)
新宮原 正三 広島大学, 工学部, 助教授 (10231367)
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キーワード | デジタル法 / 誘導結合プラズマ / 高アスペクト比構造 / バイアススパッタ / 高速成膜 / 低誘電率膜 |
研究概要 |
前年度まで、高アスペクト化の深い溝内に均一に絶縁膜を形成するためにデジタルDVDを研究した。しかし、本方法では最終的には中心部にシームを必ず残し、ボイドが形成されることが判明した。そこで今年度は、一つの解であるバイアスCVDを研究した。これは堆積と除去が伴うので、高アスペクト比構造に埋め込むには、高速堆積が要求され、ICP(誘導結合プラズマ)を適用して、SiCl_2H_2/O_2でSiO_2のCVDを試みた。本実験に先立ち、60mmφの石英管に一回巻きアンテナを設け、片方(上流)からSiCl_2H_2を導入し、他方(下流)から排気して堆積状態を調べた結果、アンテナの上流側ではガスの高解離で堆積するが、下流側には一切堆積が無かった。その結果に基ずき、上流からSiCl_2H_2を、下流から酸素を導入する方法を見出した。ガスの解離がICPにより高度に進み、堆積速度は、RF(13.56MHz)電力変化及び排気速度に対してほとんど変わらず、ガスの供給に依存している。各ガスの導入位置と膜質の最適化を図り、40mTorrの圧力で1.4μm/分の高速成膜が可能になった。緩衝HFエッチング速度で膜質を評価したところ、熱酸化膜の1.5倍程度と優れていた。エッチング速度は、堆積圧力の増加と共に急激に上昇し、これは、ICPの放電機構が衝突支配であることと関係している。しかしRF(100KHz)バイアスを印加すると、酸化膜にクラックが見られ、基板の温度を測ったところプラズマ発生後数分で常温から約400度に上昇しており、今後温度制御が必要なことが分かった。 本年度は低誘電率膜の生成を目標にし、前年に引続きデジタル法で窒化ボロン(BN)やそのSi含有膜を生成したが、誘電率は前年ほど低下しなかった。深い溝への堆積の要求から、本ICP装置にSi(OC_2H_5)_3Fを導入し、フッ素含有SiO_2膜を形成したところ、3.8の比較的低い誘電率を得た。
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