研究概要 |
臭気2-メチルイソボルネオール(2-MIB)に加えて、アンモニアの同時生物分解の実用化を計ってきたが、予期せぬ結果すなわち,「一方が分解される時に、他方が分解されにくい」という結果に遭遇し,その解決をはかる過程で重要な事実を見い出した。すなわち,微生物をとりまく汚泥状の物質(自然水中の浮遊物が蓄積したもの)の親和性が反応を律速していることである。たとえば泥が2-MIBを吸着しやすい状態のときにはその生物分解を進行させるが,アンモニアはその泥に付着しにくく,生物分解もうけにくい、などで,逆の現象も生じる。しかも,この泥の親和性が水中のpHによって大きく影響されることも見い出した。pHによって,リンや蛋白成分などが泥から水中へ、水中から泥相へ移行することを見い出した。したがって装置としてはpH制御装置が重要であることを指摘するとともにそのデータを入手した。
|