研究課題/領域番号 |
05555242
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
水野 一彦 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (10109879)
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研究分担者 |
森田 豊 大日精化工業株式会社, 中央研究所, 顧問
野村 英作 和歌山県工業技術センター, 精密化学担当, 研究員
谷口 久次 和歌山県工業技術センター, 精密化学担当, 主任研究員
大辻 吉男 大阪府立大学, 名誉教授 (20081341)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | カリックスアレーン / 重金属イオン捕捉 / アルカリイオン抽出 / エステル化反応 / ジクロロカルベン / 過マンガン酸塩酸化 / ヒドロホウ素化反応 |
研究概要 |
高度な分子認識能と高選択的触媒機能を有するカリックスアレーン誘導体の高効率合成法の確立とその化学的特性を明らかにすること、およびp-t-ブチルカリックス[6]アレーンの工業的製造法の確立を目的として研究を進め、以下のような成果を得た。 1.p-H-カリックス[4]アレーンを出発原料として、カリックス[4]キノンおよびカリックス[4]ヒドロキノンを簡便に合成する方法を確立し、NMRからその立体配座を明らかにした。 2.p-フェニルアゾカリックス[4]アレーンおよびp-フェニルアゾカリックス[6]アレーンを合成し、これらの化合物がAg^+,Hg^+、Hg^<2+>などの重金属イオンを選択的に捕捉する機能をもつことを明らかにした。また、これらの化合物はクロモトロピック特性を示すことを明らかにした。 3.p-t-ブチルカリックス[6]アレーンのヒドロキシル基に3,6,9-トリオキサデシル基を導入したタコ型カリックス[6]アレーンはK^+イオン抽出能を有することを見いだし、この機能を利用するエステル生成反応およびジクロロカルベンの効率的発生法を開発した。 4.タコ型カリックス[6]アレーンは過マンガン酸カリウムによるアルケン、アルキン、第1級アルコールのカルボン酸への酸化反応および第2級アルコールのケトンへの酸化反応の有効な触媒として機能することを明らかにした。 5.タコ型カリックス[6]アレーンはジエン-ヨウ素錯体を包接すること、およびチタン錯体を触媒とするジエンのNaBH_4ヒドロホウ素化反応の反応性と選択性を高めることを明らかにした。 p-t-ブチルカリックス[6]アレーンの工業的製造法を確立した。
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