研究課題/領域番号 |
05556021
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大澤 俊彦 名古屋大学, 農学部, 助教授 (00115536)
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研究分担者 |
山下 かなへ 椙山女学園大学, 家政学部, 教授 (40080113)
豊國 伸哉 京都大学, 医学部, 助手 (90252460)
内田 浩二 名古屋大学, 農学部, 助手 (40203533)
中山 勉 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教授 (50150199)
川岸 舜朗 名古屋大学, 農学部, 教授 (50023445)
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キーワード | リグナン化合物 / セサミノール / 8-ヒドロキシデオキシグアノシン / 脂質過酸化 / 酸素ラジカル / モノクローナル抗体 / DNA傷害マーカー |
研究概要 |
本年度は、まず、ゴマ種子中に含まれるリグナン化合物を重要なマーカーとしてとらえた。まず、セサミノールと命名した新しいリグナンタイプの抗酸化物質はゴマ油中に存在すると共に、配糖体としても存在しており、摂取後、胃や腸で代謝され、最終的にどのような形態で吸収されるか有機化学的な立場で追跡した。その結果、最終的にセサミノールとして肝臓に吸収されたのち、酸化的傷害を防御することが明らかとなった。また、最近DNAレベルにおける酸化的傷害のマーカーとして8-ヒドロキシグアニンのモノクローナル抗体が開発された。そこで、このECDを用いた微量HPLC法と共に抗体法による微量分析法を応用して尿中に排泄される8-ヒドロキシグアニンの量を指標に酸化的障害に対するリグナン化合物の防御作用を系統的に検討することができた。 また、酸素ラジカルによるDNA損傷としてファージDNAや培養細胞を用いて1本鎖切断や2本鎖切断を検出する系も確立することができ、紅茶の赤色色素であるテアフラビン化合物に特に強い酸化的傷害の防御効果を見いだすことができた。さらに、個体レベルで、鉄錯体の酸化的傷害による腎臓がんのマーカーとしての8-ヒドロキシグアニンの重要性と脂質過酸化の関連性など多くの実績を上げることができた。今後は、培養細胞系による検討とともに、老化促進マウスを用いた評価系やラットでの多量発がんモデル系でもフェノール化合物やそれらの配糖体が実際にDNAレベルで防御効果を持ちうるか定量性も含めた評価系でマーカーの分析を行い、がん予防食品開発への応用の道を探ってゆきたいと考えている。
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