研究課題/領域番号 |
05557017
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉山 武敏 京都大学, 医学部, 教授 (20030851)
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研究分担者 |
羽賀 博典 京都大学, 医学部, 助手 (10252462)
逢坂 光彦 京都大学, 医学部, 助手 (20252463)
高橋 玲 京都大学, 医学部, 助教授 (60144565)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | ラテックスビーズ / in situ分子雑種法 / FITC |
研究概要 |
In situ分子雑種法に、蛍光ラテックス粒子(ビーズ)標識を利用する試みの成否は、ラテックス粒子の大きさで決まると考えられた。細胞表面のIgA-Rcレセプターの証明に用いた500Åの大きさのラテックス粒子は、DNAの螺旋や20Åのオーダーの溝には大きすぎる。In situ法では、変性染色体DNAにビオチン標識した遺伝子プローブを分子雑種させるが、このとき、ビオチン標識塩基はDNAプローブの上に20個に1つの割合、すなわち60Å間隔で存在する。ビオチンと塩基は5-10Åのカプラー部を介して結合しているので、ビオチン自体はDNAの溝の外にはみ出している。従って、60Å間隔のビオチンをアビジンで囲んだFITC標識したビーズで証明することになる。この際、50Å=0.05μmの粒子であれば結合が可能な筈である。しかし、現実には、この大きさのビーズでも、10Åの分子サイズをもつFITC-アビジンに比して、検出感度は好転しなかった。原因は、結合したビーズの水洗時の脱落と、背景への沈着、弱い蛍光強度にあった。さらに小さいビーズ(10Å)を用いても同様で、粒子はFITCそのものの大きさに接近し、蛍光強度からいってFITCそのものを用いる方がよいこととなり、今回の試みは、その発想自体に矛盾をはらむこととなった。結合数の定量の点からもビーズが有利と考えられた。以上から、今回の試験研究はin situ分子雑種法の原理的な側面を解明したに終り、この結果を論文とする方向で、研究のまとめを図った。途中から、通常のin situ法によるラットのエリトロポイエチン・レセプターの証明と、in situ法に影響を与える標本中のDNAの空気中での酸化の研究を加えて発表し、研究を終了した。
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