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1993 年度 実績報告書

超原子価ヨウ素化合物の高反応性を利用した物質変換プロセスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 05640668
研究機関九州大学

研究代表者

北村 二雄  九州大学, 工学部, 助教授 (00153122)

研究分担者 谷口 宏  九州大学, 工学部, 教授 (10037715)
キーワード超原子価ヨウ素化合物 / 高反応性ヨウ素試薬 / p-フェニレン型ビスヨードニウム塩 / アルキニルヨードニウム塩 / ビニリデンカルベン / アセチレン誘導体 / シクロペンテン誘導体 / ベンゾフラン誘導体
研究概要

本研究は、高反応性のp-フェニレン型ビスヨードニウム塩を合成し、種々の求核剤との反応により、新しい物質変換プロセスを開発することを目的として遂行している。
(1)平成5年度は、(p-フェニレン)型ビスヨードニウム塩の合成に、PhIOとTfOHを用いて試薬[PhIO-2TfOH]を調製し単離することなしにそのまま反応に使用していたが、今回、融点125-132℃の結晶として単離することに成功し、そのスペクトル・元素分析などにより試薬の構造を明らかにすることができた。また、単離された試薬は、安定で室温・空気中で取り扱いでき、アセチレン置換(p-フェニレン)型ビスヨードニウム塩の合成に成功した。このことより、アセチレン置換体の反応が手軽にできるようになり、研究が進展するきっかけができた。
(2)アセチレン置換(p-フェニレン)型ビスヨードニウム塩は、新しい物質変換プロセスの開発に有用な物質であるが、合成化学的に重要な炭素-炭素結合を達成するため、インダンジオンのエノラートアニオンとの反応を検討した。
種々の置換アルキル、アリールアセチレン体との反応では、アセチレン誘導体の他に、分子内環化したシクロペンテン誘導体の生成が見出された。これらの結果は、求核剤はアルキニル基のbeta位を攻撃後、ヨウ素基の脱離により、ビニリデンカルベンが生成する機構と一致する。
(3)同様に、フェノレートアニオンとの反応では、2-置換ベンゾフラン誘導体が得られ、これは新規な芳香族C-H結合へのビニリデンカルベンの挿入により生成したものである。
(2)および(3)の反応で、アセチレン置換(p-フェニレン)型ビスヨードニウム塩のアセチレン基が選択的に反応することも判明した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 北村二雄・谷口宏他3名: "l-[(Hydroxy)(trifyloxy)iodo]-4-[(phenyl)(trifyloxy)iodo]benzene as a Reactive Organoiodine(III)Reagent:Isolation and Characterization" SYNLETT. 193-194 (1993)

  • [文献書誌] 北村二雄・谷口宏他1名: "Novel Cyclization to Benzofurans in the Reaction of Alkynyl(p-phenylene)bisiodonium Ditriflates with Phenoxide Anion" Tetrahedron Letters. 34. 4055-4058 (1993)

  • [文献書誌] 北村二雄・谷口宏他3名: "Intramolecular Cyclization of [omicron-(Arylthio)phenyl]ethenes.Synthesis and Crystal Structure of l-Arylbenzo[b]thiophenium Salts" Tetrahedron. 49. 5055-5066 (1993)

  • [文献書誌] 北村二雄・谷口宏他3名: "Preparation and Crystal Structure of a Parent l-Arylbenzo[b]thiophennium Triflate and Its Derivatives" Chemistry Letters. 1703-1706 (1993)

  • [文献書誌] 北村二雄・谷口宏他1名: "Improved Preparation of Diaryliodonium Triflates" Synthesis. 印刷中. (1994)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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