研究概要 |
1.合成ハーダー腺由来細胞成長因子(HGDGF)のモノクローナル坑体の作成:合成本因子をN-部(1-20),中間部(15-35)及びC-部(21-40)の3部位をBALB/Cマウスに免疫したが,坑体価は上昇せず,坑体産生は確認出来なかった.現在,分子量の変更およびハプテン結合等を考慮し,再度試みるべき準備中である. 2.単離角膜細胞と単離網膜細胞に対するHGDGFの効果:両単離細胞の培養の基質にはマトリジェンやラミニンよりもコラーゲンが最も有効であった.HGDGFは両単離細胞の増殖・成長を促すが,その投与量は10ng/mlで十分であった.角膜細胞に対するHGDGFの効果は電顕的観察より,実質細胞のみならず上皮細胞にもみられた.単離網膜細胞に対するHGDGFの効果は特に網膜色素細胞との併置でさらに増長された.しかし,とくに網膜神経細胞を長期培養する過程で核濃縮及び核断片化いわゆるAPOPTOSISが観察されたが,それに対する本因子の効果については日本動物学会で発表した.上記成果は,私もScientific Committeeの一員となっているInternational Symposium on the Harderian Gland(Sorrento-ltaly,July2-6 94)で今までの研究結果と併せて報告することになっている.その内容はlnvited Paper(Review)として雑誌Microscopy Research and Techniqueに掲載されることになっている. 3.HGDGFは脳の神経突起の伸長も促すことから,脳細胞にも本因子の受容体がある可能性がある.
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