本研究では原発性胆汁性肝硬変(PBC)におけるT細胞を中心とする免疫反応を解析する目的で、我々の開発した動物実験モデル(マウス)およびヒトPBCの肝組織内浸潤T細胞のclonalityを検討する。一般的にT細胞はVα、Vβ鎖の多様性により、無数のT細胞レセプター(TCR)のレパートリーを形成している。TCRVβ鎖のレパートリーをRT-PCR SSCP法を用いて解析することにより、T細胞のclonalな偏りがあるか否かを検討することができる。今年度は1)マウス及びヒトのTCRVβ鎖のprimerを作成、2)ヒトおよびモデル動物の肝組織および末梢血単核球よりRNAを抽出、3)RT-PCRによりc-DNAを作成、4)SSCP法にてclonalityの有無を解析のための基礎的実験を行った。ヒト肝組織を用いた検討ではpreliminaryではあるが、TCRのclonalityが存在することが示唆されている。
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