研究課題/領域番号 |
05680364
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
自然災害科学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
林 拙郎 三重大学, 生物資源学部, 教授 (50024584)
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研究分担者 |
宮崎 敏孝 信州大学, 農学部, 助教授 (50021077)
本多 潔 三重大学, 生物資源学部, 助手 (40181549)
川辺 洋 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (80126036)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | 台風 / 風害 / 幹折れ / 根返り / 森林被害 / 幹割れ |
研究概要 |
台風などの強風による森林被害の主なものは、幹折れと木が根本から転倒する根返りである。両者とも初年度と本年度にかけて研究を行った。 幹折れについては、まず幹に割れが入ってその後折れが発生することが示された。つまり、縦割れによって断面が分割されると、いわゆる断面係数が小さくなり、割れずに折れるときのモーメントの約半分の大きさで折れることが示された。したがって、縦割れが発生しやすい樹種や品種ほど、幹折れが発生しやすいことになる。これは枝打ちを高くしたヶ所に多くみられた。施業としては、枝打ちを低くする必要がある。 一方、根返りについては樹木の引き倒し試験を地上高60cmの樹幹を引っ張ることによって行った。引張点の移動量と引張抵抗力との測定結果によれば、移動量がわずか2cm程度に達するとピーク強度に達することが示された。したがって、単に傾斜しただけの被害木が実は風力としては倒木とほとんど同程度の力を受けていたことになることが明らかになり、傾斜木によって風向の推定が可能となる。 倒木・根返りの機構に関しては、引っ張に伴う移動量と強度についてのモデルを作成し、実測値との比較を行った。このモデルによれば、樹幹が傾くよって根系も回転することを考慮しており、高さに対して約3%程度の移動量がその点に対してあれば、ピーク強度に達することが示される。 風の方向は地形性(谷に沿って)の風速が大きいことが被害状況から示された。ただし、最大瞬間風速の風向もほぼ谷の方向に向いている場合も多かった。一方、谷の方向が最大風速の方向と直交する場合には、谷の底部で小規模なダウンバーストによると見られるスポット状の風害地が見つかった。
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