研究概要 |
通常のBMO空間の考察において擬双曲距離が本質的な役割を果たす。筆者は下記の論文においてより一般にEuclid空間の部分領域D上の、重みPHIを持った擬双曲距離であるPHI-擬双曲距離について考察しPHI-擬双曲距離がある種の極値的BMO_<PHI>関数とみなせまたそのある種の一般化がBMO_<PHI>(D)関数のある種の振動量評価を与えることを示した。またこの事実を用いて pointwise BMO_<PHI>(D)multiplierの特徴付けを得た。さらにBMO_<PHI>(D)のL^pversionに対してもそれらに相当する結果を得た。これらはE.NakaiによるBMO_<PHI>(R^n)に対する結果の一般化となっている。また一様領域とPHI-擬双曲距離の関係に付いても考察した。 さらに同様の手法を用いてBMO_<PHI>(D)の大域的可積分性、局所化可能性についても考察し、ある種の領域に対してはこれらの性質とPHIとの関係を完全に特徴付けるなどほぼ満足すべき結果を得た(発表予定)。 これらの結果及び証明の手法はBMO空間と擬双曲距離のかかわりをより深いレベルで明らかにするものであり,BMO_<PHI>拡張領域、さらにはRiemann面上のpointwise BMO multiplierの特徴付け問題、相対的BMO拡張領域の特徴付け問題等への応用が期待できる。
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