研究概要 |
1.既に合成した6から8行程を経て,アレンのWittig塩5を合成した。 2.6を室温でBu_4NReO_4触媒を用いて反応させると,共役ケトン7の6Z体(32%)及び6E体(50%)が得られた。また,6を(Ph_3SiO)_3VO触媒存在下キシレン中還流すると,7の6Z体(35%)と環の内部に二重結合が転位した8(58%)が得られた。7のE及びZ体は,ヨウ素触媒存在下ヘプタン中還流すると,Z体の場合はE体を経由して,8へと変換することがわかった。8からWittig塩3へと誘導した。 3.3と4とのWittig反応により共役鎖を延長し,さらに5とのWittig反応を行って骨格化合物2を合成した。なお,Wittig反応時に生ずるZ異性体は,パラジウム触媒で処理することにより,望むE体へ変換できた。最後に,2の5,6位をMCPBAでエポキシ化して,フコキサンチン1の初めての全合成が達成できた。 4.フコキサンチンの両端の環構造を変化させた種々のアナログを合成して,その蛍光スペクトルを測定した。その結果,環構造はフコキサンチンの蛍光特性には影響していないことが判明した。
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