研究概要 |
研究最終年度である本年は以下に記す点について成果が得られた。 1.Rhodopseudomonas viridis内でのMサブユニットにおけるcarotenoidへの3重項励起エネルギー伝達系の立体構造モデルを作成、分子軌道法計算を実行することにより、色素と側鎖間のHOMO-HOMO軌道間の重なりが大きく、エネルギー伝達に寄与していることが判明した。 2.ほぼ対象なL,M両サブユニットにおける電子伝達とエネルギー伝達機能の選択性の原因を、電子状態理論の立場から明確にすることができた。また、この選択性の原因となる構造差は主としてLサブユニットにおけるB_Lの平面性からのずれであることが明らかとなった。 3.Lサブユニットにおける周辺の残基配置、特に芳香族側鎖を有する残元が多いこと、またL121-Pheの存在が電子伝達を起こす上で非常に重要であることが明らかになった。 4.チトクロームサブユニットからスペシャルペアの間での電子移動に関し、L162-Tyrの重要性を明らかにできた。
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