フラーレンを結合させたシリカ・マイクロ粒子表面上にポルフィリンを結合させ、これをフラーレンとともにコロイド化させた。電気泳動法を用いて、このコロイドを酸化スズ被覆ITO電極上に集積化させ、その光電気化学的特性などを詳細に検討した。その結果を速報としてChemical Communications誌にて発表した。シリカ粒子に担持させたポルフィリンの光電気化学的特性はこれ以前には報告されていなかった。 フラーレンデンドロン(第一世代〜第五世代)をフランスCNRSのNierengarten教授との共同研究として合成を行い、その合成スキームと同定についてEuropean Journal of Organic Chemistryに発表を行った。これらフラーレンデンドロンのコロイドの酸化スズ被覆ITO電極上における光電気化学特性を調べたところ、世代効果が認められた。その現象を詳細に検討するため、過渡吸収等の光物性の測定をNicola Armaroli教授と行った。この測定はイタリア・ボローニャ市にある国立研究所、有機合成・光反応性研究所(ISOF/CNR)にて行った。現在、これまでの結果をまとめて投稿準備を行っている段階である。またこの結果を、4月に行われるXXIst IUPAC SYMPOSIUM ON PHOTOCHEMISTRY(京都)やThe seventh International Symposium on Functional π-Electron Systems(大阪)で発表を行う予定である。
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