本年度は両生類と魚類から、LPXRFaペプチドの受容体の探索を行う目的で以下の通り実施した。 1.両生類におけるLPXRFaペプチド受容体の探索 ゼノパスのゲノムデータベース(http://www.ensembl.org/index.html)を利用し、哺乳類や鳥類のLPXRFaペプチド受容体のアミノ酸配列をクエリとしてBlast検索を行った。その結果、哺乳類や鳥類のLPXRFaペプチド受容体と相同性の高いゲノム配列を得ることができた。次に、ウシガエルの脳からmRNAを抽出しPCRを用いてcDNAクローニングを行った。その結果、2種類の7回膜貫通型受容体と考えられるcDNAの配列を得た。他の既知の受容体との比較の結果、一方の受容体はLPXRFaペプチドの受容体であり、もう一方の受容体はPQRFaペプチドの受容体であると考えられた。また、ウシガエルの脳を用いてin situハイブリダイゼーションによりLPXRFaペプチド受容体の局在解析を行ったところ、ウシガエルLPXRFaペプチド受容体は脳に広く分布していることが明らかとなった。今後はバインディングアッセイやセカンドメッセンジャー系の解析が必要となる。 2.魚類におけるLPXRFaペプチド受容体の探索 メダカ、ゼブラフィッシュ、フグのゲノムデータベース(http://www.ensembl.org/index.html)を利用し、哺乳類や鳥類のLPXRFaペプチド受容体のアミノ酸配列をクエリとしてBlast検索を行った。その結果、LPXRFaペプチド受容体と高い相同性を示すゲノム配列を、メダカから2種類、ゼブラフィッシュから3種類、フグから3種類得ることができた。今後はこれらの動物におけるクローニングや局在解析が必要となる。
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