研究課題
本年度は、インドネシアおよびフィリピンにおいて、現地調査を実施した。調査の実施にさきだって、インドネシア班は研究連絡会をもち、現地調査に関する研究打ち合わせを行なった。フィリピンでの調査は現時点においてはまだ終了しておらず、実施中である。研究分担者はおのおのの研究課題(役割分担)にそって、聞き取り調査を主とする現地調査を実施し、同時に文献・音響資料等の研究資料を収集した。調査はそれぞれが独立して行ったが、ほぼ同じ時期にインドネシアで調査を行った山下晋司、関本照夫、鏡味治也、福岡正太は、現地での研究分担者であるインドネシア大学のS.ブディサントソとウダヤナ大学のワヤン・グリヤと連携をとりながら調査を実施した。また、調査終了後ジャカルタで、調査成果に関する討議を行い、LIPI(インドネシア科学院)に共著で調査成果報告書を提出した。調査が完了していないフィリピンは別として、インドネシアに関して言えば、今回の調査によって、中部ジャワ(ジヨクジャカルタ)、西ジャワ(バンドン)、バリという三つの地域におけるインドネシア国家および世界資本主義との関係での地方(民族)文化の動態をまざまな切り口(バティック産業、音楽、観光、慣習、宗教など)から明らかにできた。今回の調査成果に関しては、さしあたりおのおのの研究分担者がそれぞれ論文等のかたちで適宜公表していくことになるが、同時に今回調査の成果と経験を来年度に予定している現地調査において生かしたい。