研究分担者 |
大田 伊久雄 京都大学, 農学部, 助手 (00252495)
森 義昭 京都大学, 農学部, 講師 (60026474)
岡田 秀二 岩手大学, 農学部, 教授 (70133907)
石井 寛 北海道大学, 農学部, 教授 (10002057)
安藤 嘉友 新潟大学, 農学部, 教授 (50222790)
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研究概要 |
北米の森林伐採はOld-growthからSecond-growthに移行しており,この過程で地球規模の環境問題が顕在化している.本年度の研究は,北米林産業の一大拠点であるワシントン・オレゴン州を中心に,現地の研究者と情報を交換しつつ,三つの点から研究を進めた. 一つは,木材関連産業は寡占構造を明らかにした.それはM&A(買収・合併)によって形成されたものであり,1980年代の木材統合企業のM&Aの展開がどのような意味をもつものであったか,そしてそれが統合企業の再編にどのような結果をもたらしたかについて分析した.二つ目に国有林の国家的所有・経営の性格・意義を明らかにした.国有林の伐採生産は第2次大戦後拡大したものであったが,その過程で環境財としての管理が国民のニーズとして高まった.特にSpotted owlの保護をめぐるold-growth問題は象徴的である.研究では生産政策とともに環境政策の展開を歴史的に分析し,国有林の転換期論を展開した.西海岸地域で80年代から広く導入された森林施業の新たな取り組み(New Forestry,Eco-management)を評価するとともに,クリントン大統領の「林業政策」の意義を明らかにした.最後に,カルフォルニア・オレゴン州などから始まった公有,私有の森林に及びつつある州政府の規制についても資料の収集,解明に当たった.なお,今年度の成果は,1995年日本林学会においてテーマ別セッション「アメリカ林業・林産業の近年の動向と森林政策」で五つの報告を発表する予定である.
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