研究分担者 |
森 義昭 京都大学, 農学研究科, 講師 (60026474)
大田 伊久雄 京都大学, 農学研究科, 助手 (00252495)
岡田 秀二 岩手大学, 農学部, 教授 (70133907)
石井 寛 北海道大学, 農学部, 教授 (10002057)
安藤 嘉友 新潟大学, 農学部, 教授 (50222790)
|
研究概要 |
北米および北欧の先進林業諸国において,今,森林利用をめぐって木材利用か,森林の保全かの対立がみられる。特に北米においては公的所有の森林において,その保全への国民的要請は政策を動かしている。北米西海岸地域ではオールド・グロス林を伐採から外す,いわゆる環境に受け入れられる範囲内での木材利用という考えが広がっており,木材の生産は大幅に減産に追い込まれている。このことは企業に原料基盤の転換に追いやっており,アメリカにおいてはカナダ,南部やNIPFへの依存である。こうした木材生産と環境をめぐる対立と政策の動きを,アメリカおよびカナダ,北欧で実証的に解明した。 ところで,先進諸国の木材関連企業は統合型と専門型の二つに大別できる。しかし,統合型といっても森林経営を基盤に各種の木材関連部門でもって完結したシステムをとっているものはほとんどない。なかでも,原料基盤を自己の森林経営に完全に依存する企業は存在しないし,統合型企業が支配するアメリカにおいてもストーン・コンテナ-社のように専門型企業として展開する企業もみられる。アメリカの森林所有形態において木材関連企業の所有するものは2割を下回っており,NIPFが多くを占めている。政策としてもこのNIPFを生産力化することを資源政策として重要視してきたし,また巨人企業の発展過程においても個別の森林経営をいかに掌握するかが一つの戦略として追求されてきた。こうした動きは連邦有林の1993年からのエコ・マネージメントの導入によって減産を補完するうえからもますます重要になっている。この実態をフォレスト・スチュワードシップ,ツリー・ファーム・システム,企業援助システムなどから明らかにした。
|