研究課題/領域番号 |
06208104
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
夫馬 進 京都大学, 文学部, 助教授 (10093303)
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研究分担者 |
村尾 進 天理大学, 国際文化学部, 講師 (10239478)
岩井 茂樹 京都産業大学, 経済学部, 助教授 (40167276)
井上 裕正 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (90127481)
松浦 章 関西大学, 文学部, 教授 (70121895)
藤本 幸夫 富山大学, 人文学部, 教授 (70093458)
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キーワード | 中国 / 琉球 / 福建 / 福州 / 地域間交流 / 使琉球録 |
研究概要 |
本年度の研究実績は、次のとおりである。1.研究会を二個月に一回の割で開き、各研究分担者が最も関心を持つテーマで報告し、これをもとに討議した。研究会では「使琉球録」の東アジア世界全体の中での位置付け、アヘン戦争時期におけるイギリスと琉球の関係、琉球と福建福州の貿易関係、カントンシステムの中での福州・厦門の位置、冊舟の実態などが報告された。これによって、各研究分担者がそれぞれ研究を深めるとともに、参加者全員が広い視野を獲得し、琉球-福建を軸とした環東シナ海地域間交流の全体像を把握できるようになった。2.本研究で中心課題の一つとしている中国の琉球使節旅行記を調査・収集した。このために「主要図書館所蔵使琉球関係漢籍目録」を作成し、これまで知られていなかった数多くの関係資料を発見した。これを重点領域研究ニューズレター『沖縄の歴史情報研究』第4号(1995年冬期)に掲載し、重点領域研究に参加する研究者に対して貴重な情報を早く伝達することができた。3.近年刊行された中国第一歴史しょう案館所蔵資料『清代中琉関係しょう案選編』をもとに、清代福州海関における琉球からもたらされた貿易品目のリストを作成した。これは当時、どのような品目がどの程度琉球から中国へ輸入されていたかを示す点で重要な意味を持つ。また本研究では今後、琉球側の資料である『歴代宝案』の研究にも足を進める予定であり、日本側(琉球側)資料と比較する対象を定めた点で貴重な成果である。
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