研究課題/領域番号 |
06301053
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研究種目 |
総合研究(A)
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
中村 善和 一橋大学, 社会学部, 教授 (40012356)
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研究分担者 |
田辺 三千広 名古屋明徳短期大学, 国際文化科, 講師 (70259357)
坂内 徳明 一橋大学, 社会学部, 教授 (00126369)
安村 仁志 中京大学, 教養部, 教授 (30065247)
栗生沢 猛夫 北海道大学, 人文学部, 教授 (40111190)
松木 栄三 静岡大学, 人文学部, 教授 (50008033)
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キーワード | 百章会議 / 「百章」 / コトシ-ヒン / アレクセイ帝時代 / 宗教異端 / 分離派 / 宗教民俗学 / 文献への統合的アプローチ |
研究概要 |
交付申請書の研究目的に記したとおり、本研究の目標は3つの具体的作業をおこなうことにあった。その中で第一番目の「百章」(16世紀半ばの宗教会議の議事録)の翻訳と注解については翻訳作業がすでに終了し、その成果である訳文は平成6年1月に発表されている。現在はその翻訳の再点検をおこなうとともに、注解の作業にとりかかっている。第二番目のコトシ-ヒン著「アレクセイ帝治下のロシア」の翻訳と注解については、現時点においてわれわれ全員が最も力を注いでいるものである。このテキストの全訳をめざして、綿密にテキストを読み、日本語の訳文を作るとともに、注解を準備している。幸いにも、翻訳の底本となるテキストについてはA.E.ペニングトンによるきわめて信頼できる校訂本(1980年、Oxford UP.)が刊行されているので、それによりながら読解をおこなっている。しかし、このペニングトンの目的は言語学的な視点からのテキスト・クリテックであり、われわれの関心とは多少とも異なっている。すなわち、われわれのアプローチはよりも広く、いわば文化史的な側面からの読解であり、具体的には歴史的(社会経済史・法制史・政治史)・宗教史的・民俗学的、宗教民俗学的な面からの多面的なアプローチがわれわれの主要な目的である。この点で、われわれの文献学的的にたいする統合的アプローチは、ロシア中世・近代の文学・歴史・宗教にかんする研究にとってきわめてアクチュアルな意義を持つものと思われる。しかも、われわれのグループはきわめて多くの分野の専門家から構成されているので、その作業の成果も多いことを確信している。目標の第三の「分離派教徒」関係の文献の読解については、現段階では具体的にはとりかかっていない。この宗教異端の発生した17世紀半ばという時代という背景を上記のテキストにより理解することがこの第三の作業につながるものと思われる。
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