研究課題/領域番号 |
06301065
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西尾 勝 東京大学, 法学部, 教授 (60009800)
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研究分担者 |
飯尾 潤 埼玉大学, 大学院政策科学研究科, 助教授 (90241926)
松浦 正孝 法学部附属近代日本法政史料センター, 助教授 (20222292)
加藤 淳子 東京大学, 教養学部, 助教授 (00251314)
真渕 勝 大阪市立大学, 法学部, 助教授 (70165934)
御厨 貴 東京都立大学, 法学部, 教授 (00092338)
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キーワード | 現代日本 / 政治-行政関係 / 議院内閣制 / 政治エリート / 国家論 / 戦後史 / 官僚制 / 政党 |
研究概要 |
精力的に研究会を開催し、さらに研究分担者以外の研究者をも交えて討論を重ねた結果、研究目的の一つであった行政学・政治学など関連分野の研究者間に共通の学問的基盤を形成するという点に関しては、相当の成果が得られた。具体的には現代日本の政治体制を戦後史に照らして、その起源と変容を検討するという課題については、結論に異論はあるものの、戦前からの連続的側面の重要性を認識した上で、戦後改革・経済成長によってもたらされた変化を位置づけるアプローチで共通の認識が得られた。そして単に官僚制と政治家の関係を見るだけではなく、たとえば産業界などの動向も視野に入れて、広く国家介入の場面における政官関係の要因を見なければならないということもわかった。そのうえで、現代日本における政官関係を基礎づけているのは、独特な「議院内閣制」のあり方なのであって、その理論的考察が欠かせないというところから、研究分担者のうち数人が、ミクロ・マクロにわたる議院内閣制論を探求することとなった。また歴史的な発展としては、日中戦争期における政・官・財の相互関係と、それが戦後の政官関係に及ぼした影響を見ること、戦後復興期とそれに続く時期について産業金融の分野を例に比較検討しつつ国家の性格付けについて検討すること、国土計画において計画官僚が形成される過程と政治家の政策構想が生まれる背景との関係を考察することなどが主たる研究分野として、まとまりつつある。また最近における政官関係のあり方を見るために、社会保障政策や税制などを例としながら、新自由主義やその後の改革を切断面とする研究が進んでいる。 研究成果の公表については、研究計画通り論文集の形でまとめることとし、平成7年度に執筆を進め、年度内に刊行できるように準備中である。
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