研究課題/領域番号 |
06301065
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西尾 勝 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (60009800)
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研究分担者 |
飯尾 潤 埼玉大学, 大学院・政策科学研究科, 助教授 (90241926)
松浦 正孝 北海道大学, 法学部, 助教授 (20222292)
加藤 淳子 東京大学, 教養学部, 助教授 (00251314)
真渕 勝 大阪市立大学, 法学部, 助教授 (70165934)
御厨 貴 東京都立大学, 法学部, 教授 (00092338)
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キーワード | 現代日本 / 政治-行政関係 / 議院内閣制 / 政治エリート / 国家論 / 戦後史 / 官僚制 / 政党 |
研究概要 |
平成7年度は、前年度の研究方針をもとに個別の研究を進め、論文を執筆することにあてられた。具体的には、5月に総括研究会を行って研究の進行状況を確認し、その際の合意をもとに夏にかけて草稿を執筆して回覧して相互批判を行い修正を加えた。そしてこの時点で完成した7論文をまとめて、学会の年報に掲載することとし、『日本政治学会年報1995』「特集I・現代日本政官関係の形成過程」として、12月末に刊行することが出来た。(裏面11頁参照)内容的には、(1)政官関係の起源を探る意味で、戦前戦中期に焦点を当てた研究を用意して財界との関係をも含めた広い観点から「帝人事件」の検証を行った。また戦後初期の時期については比較政治経済学的観点を取り入れ、政府金融のあり方について国家論的検討を行って、政官関係の大枠についての認識を得た。(2)課題であった政策領域によってどのような違いがあるかを検討する点に関しては、国土計画政策という、視角のあて方によって、専門性が優越するようにも政治性が優越するようにも考えられる興味深い領域と、公的年金制度・医療保険制度・税制という政策専門知識が重要な役割を占めながら影響範囲の広い政策領域における政革とを検討することになった。また1980年代について、経済政策を中心としながら幅広くさまざまな政策領域における争点を検証することで、官僚側の一貫性と政党側の対立軸の喪失を検証することが出来た。(3)理論的な検討に関しては、日本型の議院内閣制のあり方と、それを前提とした政治家と官僚の行動様式についてそれぞれ論文が完成した。このように共同研究としては一応の成果が上げられたが、時期的にもまだ空隙が残っているほか、研究の過程で明らかになった論点のいくつかについては、十分な検討がなされていないので、今後の課題としたい。
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