研究課題/領域番号 |
06302017
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
面高 俊宏 鹿児島大学, 教養部, 教授 (50129285)
|
研究分担者 |
河野 宣之 国立天文台, 地球回転研究系, 教授 (10186116)
浮田 信治 国立天文台, 電波天文研究系, 助教授 (20184989)
笹尾 哲夫 国立天文台, 地球回転研究系, 教授 (20000177)
川口 則幸 国立天文台, 電波天文研究系, 助教授 (90214618)
森本 雅樹 鹿児島大学, 教養部, 教授 (80012805)
|
キーワード | VLBI / maser / interferometer / quaser |
研究概要 |
我々の計画は全長2000kmにも及ぶ日本列島にミリ波VLBI局を散在させ、22GHz,43GHzで1masを切る高分解能を達成し、クエーサーや活動的銀河、変光星のメーザー源の解明を目指すことである。計画は具体化し、既存の野辺山45m鏡、鹿島34m鏡に加えて新たに水沢10m鏡、鹿児島6m鏡が加わり、基線長1300km、空間分解能2.1masのVLBIネットワークが実現し、昨年より22GHzの本格的なVLBI観測が開始された。 現在、10数個の天体のVLBI観測、及びVLBIモニター観測が終了、あるいは継続中である。取られたデータについては相関処理は既に終了している。マップにするには相関処理後フリンジレートマッピング等のデータ処理を行わなければならないが野辺山の計算機のリプレースや相関器NAOCOで処理したデータをAIPSに読ませるためのFITS変換ソフトの作成の遅れ等で処理ソフトの整備が遅れている。しかし、1部のデータは不十分ながら処理されるフリンジレート天体マップとなっている。未確定だが、いくつか興味深い結果が出ており、例えばオリオンKLの水メーザー源ではCO等の高速流の吹き出し口の付近に水メーザースポットの群を発見した。今後この群の固有運動を追跡し、大きな謎である高速流の解明に役立てたいと期待している。2月に鹿嶋の通信総合研究所鹿嶋宇宙通信センターで、国内VLBIネットワークを使った研究の成果の発表と論文に仕上げていくための戦略を練るJネットシンポジウムをこの研究費の補助で開催した。20名を越える研究者が集まり成果を語り合った。今後、早急にデータ処理のソフトを整備し成果を出版したいと考えている。 VLBIネットワークの高周波化については、43GHz受信機の水沢局、鹿嶋局への搭載も終了し、後は鹿児島局だけである。鹿児島局についても一応受信機は完成し、現在望遠鏡へ搭載するためのマウント装置の設計を終え、製作に取りかかろうとしている。鹿児島局が整備され次第、43GHzのVLBI試験観測に取りかかる予定で、今年中に成果が出ると期待している。
|