研究課題/領域番号 |
06302017
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
面高 俊宏 鹿児島大学, 教養部, 教授 (50129285)
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研究分担者 |
井上 允 国立天文台, 電波天文学研究系, 教授 (10151622)
河野 宣之 国立天文台, 地球回転研究系, 教授 (10186116)
笹尾 哲夫 国立天文台, 地球回転研究系, 教授 (20000177)
川口 則幸 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (90214618)
森本 雅樹 鹿児島大学, 教養部, 教授 (80012805)
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キーワード | VLBI / maser / interfarometer / quaser |
研究概要 |
我々の計画は全長2000kmにも及ぶ日本列島にミリ波VLBI局を点在させ、22GHz,43GHzで1masを切る高分解能を達成し、クェーサーや活動銀河、変恒星のメーザー源の解明を目指すことである。計画は具体化し、基線長1300km、22GHzで空間分解能2.1masのVLBIネットワークが実現し、昨年2月より22GHzの本格的なVLBI観測が開始された。 現在、10数個のVLBI観測、及びVLBIモニターが終了、あるいは継続中である。取られたデータについては相関処理は既に終了し、フリンジレートマッピングによるデータ処理や一部はAIPSを使った処理が行われつつある。 晩期型星の水メーザー源については一部は解析が終了し興味深い結果が出だしている。例えば、水メーザースポットのサイズが従来考えられてきたよりは1桁小さいことが判明したこと。また晩期型星RT Virで世界で初めて水メーザースポットの加速現象をとらえたこと。これらの結果は既に出版された或いは印刷中である。大質量星オリオンKLの水メーザー源については高速流の吹き出し口付近に水メーザースポットを発見し、それらが加速されていることを発見した、これにより高速流の速度場についての情報が得られるのでは期待している。また中小質量星S106FIRでは約50AU離れた2つの水メーザークラスターの速度構造を明らかにした。また活動的銀河核についての研究も結果が出てきた。これらの研究成果はこの科研費の補助を得て12月に国立天文台で行われたVLBIコロキウムで発表された。このコロキウムの参加者は約40名で盛会で、討論も活発に行われた。現在これらの成果は論文にまとめる作業が進行中である。 VLBIネットワークの高周波化については、各局への43GHz受信機の搭載は終了し、単一鏡としての性能出しをしようとしている段階で、今後性能チェックが行われ次第43GHzのVLBI試験観測にとりかかる予定である。 以上のようにこの科研費の研究課題については関係者の努力により、ネットワークが構築され研究成果が今まさに出だし始め最初の目的は大部分果たせたと言える。しかし43GHzについては最初の計画より遅れており早く試験観測にかかりたいと考えている。
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