• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

前立腺におけるβ-microseminoproteinの分子遺伝学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06404059
研究機関長崎大学

研究代表者

斉藤 泰  長崎大学, 医学部, 教授 (70039832)

研究分担者 酒井 英樹  長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (40235122)
キーワード前立腺癌 / β-microseminoprotein / 遺伝子座 / 突然変異 / mRNA
研究概要

本研究は、前立腺癌におけるβ-microseminoprotein(MSP)に産生能の喪失を分子遺伝学的に解明し、前立腺の癌化プロセスにおけるMSP遺伝子変化の意義を解明することにある。本研究によって以下の結果が得られた。
1.免疫組織化学的研究では、前立腺癌組織におけるMSP蛋白の発現は組織学的悪性度とは無関係に著明に減弱していた。
2.FISH法を用いたMSP遺伝子のマッピングの結果、MSP遺伝子の遺伝子座が10q11.2であることが証明された。
3.RT-PCRを用いた実験では、正常前立腺および前立腺肥大症組織に較べ、前立腺癌細胞株ではMSP mRNAの発現が低下していることが判明した。
4.In situ hybridization(ISH)を行った結果、MSPmRNAの発現は前立腺癌組織において、著明に減弱していた。
5.PCR-SSCP法を用いた遺伝子変異の解析でき、40症例の前立腺癌組織においてMSP遺伝子の変異は検出されなかった。
これらの結果から、前立腺癌におけるMSP蛋白発現低下に対して、MSP遺伝子変異の関与は低く、前立腺癌における転写制御レベルでの異常および一部の症例では翻訳制御レベルでの異常が示唆された。また、MSP発現異常が組織学的悪性度とは無関係に高頻度にみられたこと、および正常前立腺では異常がみられなかったことから、このMSP異常は癌化プロセスの比較的早期に生じることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Sasaki,T.,et al.: "Assignment of the human β-microseminoprotein gene (MSMB) to chromosome 10q11.2" Cytogenetics and Cell Genetics. 72. 177-178 (1996)

  • [文献書誌] Yogi,Y.: "A monoclonal antibody assessment of the beta-microsimonoprotein expression in prostatic carcinoma as a prognostic indicator" Acta Medica Nagasakiensia. 40. 13-17 (1995)

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi