研究課題/領域番号 |
06452221
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
新宮原 正三 広島大学, 工学部, 助教授 (10231367)
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研究分担者 |
堀池 靖浩 東洋大学, 工学部, 教授 (20209274)
坂上 弘之 広島大学, 工学部, 助手 (50221263)
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キーワード | エレクトロマイグレーション / 抵抗振動現象 / 局所性・非局所性評価 / ボイド生成消滅モデル |
研究概要 |
多結晶Al配線に直流定電流を流し、エレクトロマイグレーションに誘起される抵抗の振動現象を結晶粒界形状、電流密度依存性、局所・非局所性のそれぞれの観点から詳細に調べた。抵抗振動現象は配線幅が平均結晶粒径と同程度の試料で最も頻繁に観察され、また結晶粒界が配線を横切るバンブ-状配線では殆ど観察されなかった。これにより抵抗振動現象は結晶粒界三重点と密接に関係することが推測された。また抵抗振動には上向きスパイクと下向きスパイクとの2通りのタイプがあり、またさらに準周期的なものとランダムなものとに分けられる。準周期的振動は振幅及び周期が比較的揃っているが、ランダムな振動は振幅及び周期ともに全くランダムであり、規則性は認められない。 電流密度依存性において、上向きスパイクは電流密度の増加に対して振幅が著しく増加するのに対して、下向きスパイクは電流密度の増加と共に頻度が増加するという異なる応答を示した。また局所性・非局所性評価を多端子パターンにより行ったところ、上向きスパイクは非局所的であり、一方下向きスパイクは局所的であることがわかった。これより局所的振動は結晶粒界三重点等におけるボイドの生成消滅に対応することが強く示唆される。そこでジュール発熱による温度上昇を前提として、高抵抗領域を電流が迂回する効果を定式化し、局所温度、局所応力、局所電流密度に関する非線形モデルを立てたところ、下向きスパイクの電流密度依存性を良く説明することができた。非局所的である上向きスパイクに関しては未だ機構は不明であり、今後電子顕微鏡によるその場観察を行っていく予定である。
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