研究課題/領域番号 |
06452221
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
新官原 正三 広島大学, 工学部, 助教授 (10231367)
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研究分担者 |
坂上 弘之 広島大学, 工学部, 助手 (50221263)
堀池 靖浩 東洋大学, 工学部, 教授 (20209274)
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キーワード | エレクトロマイグレーション / アルミニウム配線 / ULSI / 信頼性 / 結晶粒界 / ボイド / 振動 / 転位 |
研究概要 |
直流電流下エレクトロマイグレーションに誘起される抵抗振動現象に関して、前年度は高電流密度下(電流密度4×10^6A/cm^2以上)での観察を行ったが、今年度は電流密度1×10^6A/cm^2以上から6×10^6A/cm^2までの範囲での電流密度依存性の評価を長時間かけて行い、また走査電子顕微鏡によるその場観察を試みた。その結果、下向きスパイク振動は低電流密度条件では配線寿命の後半において高い確率で出現し、また長時間(数時間程度)持続することが明らかとなった。さらに振動が発生した箇所とそうでない箇所の電流停止後の抵抗緩和を比較したところ、振動出現箇所は緩和量が多く、また緩和挙動が複雑であり二つ以上の機構を持っていることが明らかとなった。また走査電子顕微鏡その場観察においては6×10^6A/cm^2程度の高電流密度での観察を行い、大きなスパイク振動とボイド移動・ヒロック形成とが強い相関を持っていることが確認された。なお当初の研究計画に沿って、結晶粒界構造を制御した数μm長の配線を作成して抵抗振動評価を行ったが、振動出現確率が極めて小さく十分な結果は得られなかった。以上より、下向きスパイク振動はボイド生成・消滅の繰り返しである可能性が高く、低電流密度下ではボイドが原子空孔クラスターに分解したときの空孔のドリフトによる散逸が小さいために、長時間振動が安定に持続することが示唆される。
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