研究課題/領域番号 |
06452256
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計測・制御工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
平澤 宏太郎 九州大学, 工学部, 教授 (70253474)
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研究分担者 |
大林 正直 九州大学, 工学部, 助手 (60213849)
村田 純一 九州大学, 工学部, 助教授 (60190914)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | ペトリネットワーク / 脳科学 / 制御システム / 学習 / 自己組織化 / ニューラルネットワーク / R. B. F. / ファジ- |
研究概要 |
大規模複雑システムの制御は、適切なタイミングに適切な判断・指令を行う必要があるという点で脳機能と同じである。この視点に立ち、脳科学の最新の知見を活用した、従来よりより人間の判断機能に近い能力を持つ制御技術の確立を目標に研究を推進した。脳は各種機能が分散配置された機能局在構成である。そこで、まずはじめに、脳の機能局在を手本とし、制御に不可欠な学習機構を導入した大規模複雑システムの制御のための基本モデルを開発した。このモデルは、機能局在構成に適したペトリネットワークに学習能力を付加したものでLPN (Learning Petri Network)と名付けた。特に、機能局在構成を実現するために、状況に応じて適切なネットワーク経路を探索する教師付および自己組織化アルゴリズムがLPNの特徴である。次に、LPNの応用に関し、非線形不連続関数のパターン認識、非線形不連続動的システムの同定および非線形クレーンシステムの制御についてのシミュレーション実験を行った。この結果、LPNでは、入力に応じてト-クンの伝幡する経路が異なり、経路の選択制御(機能局在)が可能な事、又、これによって、強い非線形不連続関数の実現のためにはLPNの方がニューラルネットワークより優れている事、さらには、非線形ダイナミックスの固定および制御では一般のニューラルネットワークより2桁以上同定・制御特性が良くなる事を明らかにした。以上、古典制御理論あるいは現代制御理論で展開されてきた従来の制御技術とは事なる、脳の機能極在、学習に基づく新しい制御技術の基本部分を確立した。これにより、従来のプロセス制御のみならず、大規模複雑システムの計画・運用・制御を人間の判断機能に準じて、より高度に実現する事が出来るようになる。
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