研究概要 |
平成7年度の研究実績とその成果は以下のように要約される。 (1)従来、測定が困難であった無次元振動数0.1以上の範囲について重点的に測定結果を検討し、模型天秤系の固有振動による変動成分と、空気力の固有な変動成分を識別して、高振動数迄の測定を可能にする方策を見つけだした。これに基づき新しく二分力天秤を設計し、これを使用してさらに高振動数の場合を測定するべく準備を進めている。 (2)これまでの成果をとりまとめ、平成7年11月に東京で開かれた国際会議"1995Japan-China Joint Symposium on Advanced Energy and Transportaion Engineering"に投稿発表した。 (3)デルタ翼前縁剥離渦の流れ場内での挙動に関して考察し、convective timelag,vortex breakdownなどをeffective angle of attack,effective delta-vertex angleなどによってモデル化する事により、空気力やローリングモーメントの変動を記述して、これを実験結果と比較することによって、これらの物理現象と測定結果の関連をより深く理解することを試みた。 (4)流れの可視化試験結果を基に、デルタ翼前縁剥離渦の崩壊現象を観察し、これまでは静的な結果のみが知られていた崩壊の限界線を、動的な影響を含めたものに拡張することを試みた。 (5)高速風洞試験の可能性についてさらに検討を進めている。
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