研究課題/領域番号 |
06452382
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
小疇 尚 明治大学, 文学部, 教授 (10061897)
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研究分担者 |
叶内 敦子 明治大学, 文学部, 講師
梅本 亨 明治大学, 文学部, 助教授 (20201957)
杉原 重夫 明治大学, 文学部, 教授 (90061978)
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キーワード | 東北日本 / 越後山地 / 頸城山地 / 谷川岳 / 荒沢岳 / 氷河地形 / 花粉分析 / 植生変化 |
研究概要 |
日高山脈、越後山地、頸城山地、飛騨山脈などで、地形および堆積物と植生の調査、気象観測、花粉分析試料採取のためのボーリングをおこなった。 主要な成果は次のとおりである。 1.日高山脈南端部では、岩屑におおわれた最終氷期の周氷河性平滑斜面が、海抜400m以下にまで降下しているところがあり、当時は山麓まで永久凍土環境となっていたことが予想される。 2.越後山地南部の数ヶ所で、従来知られていなかった氷河地形の可能性の高い地形を発見し、そのうち谷川岳と荒沢岳の2ヶ所で現地調査をおこない、氷河地形を確認した。ともに氷河地形の末端高度は海抜800mの低所に達している。 3.越後山地、頸城山地の海抜1,000m前後の高度帯に分布する湿原と旧湖沼の数カ所で、湖成層と泥炭層の花粉分析をおこなった結果、約7,000年前を境にその高度の山地植生が、針葉樹からブナを主とする落葉広葉樹に急変することが明らかになった。 4.1995年7月の集中豪雨で、白馬岳山頂部の圏谷のモレーンが崩壊して土石流が発生した。他の氷蝕山地でも圏谷の出口に分布するモレーンは、集中豪雨で侵蝕されて失われやすいと考えられ、氷河地形の認定に際して注意の必要なことがわかった。 5.年代測定試料の多くは現在測定を依頼中で、花粉分析をおこなった湖成層と泥炭層の幾つかについてのみ、^<14>C年代がえられている。
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