研究課題/領域番号 |
06453076
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柳田 博明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20010754)
|
研究分担者 |
元平 直文 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (30242043)
中村 吉伸 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (30198254)
宮山 勝 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (20134497)
|
キーワード | ヘテロ接合 / 酸化銅 / 酸化亜鉛 / 整流性 / 固溶体 / 等温過渡容量法(ICTS) / 界面準位 / 触媒 |
研究概要 |
本年度は、CuO/ZnO界面のキャラクタリゼーションを通じ、界面における遷移金属イオンの相互拡散現象、またその結果を生じる界面準位の電流-電圧特性への影響につき考察を行ない、さらにそれらの界面において発現する機能(ガスセンシング機能、触媒制御機能)への影響を考察した。ヘテロ接合は用途により薄膜の連続スパッタリングによるプロセスおよび圧粉体の加圧・同時成型→焼成という2通り手法にて作製している。いずれも作成過程で熱処理を必要とするため界面におけるイオンの拡散のキャラクタリゼーションが必須である。XRDによる精密格子定数測定と熱重量分析によるZnO不定比性の評価の結果から、界面の作成過程において、Cu^+イオンがZnO格子に侵入しその固液限は4mol%以内(1000°C)と見積もられた。高温焼成プロセスを経たCuO/ZnOヘテロ接合は、界面近傍にCu^<2+>をアクセプターとするZnO層が存在し、実際はp-i-n接合が形成されていると考えられる。固溶Cu^+量と酸素欠陥の濃度の相関から置換固溶したCu^+と格子間固溶したCu^+との間に平衡式が成り立つというモデルが予想され、平衡式から固溶け限の予測も可能となった。CuO、ZnOの連続スパッタによるCuO/ZnOヘテロ接合においては300°Cの高温まで著しい整流性が保持された。ICTS法により界面準位の検出を試み,ZnOの伝導帯下0.2eVまたはCuOの価電子帯上0.2eVに界面準位の精製が確認されが、その特定はできなかった。CuO-ZnO同時成型→焼結プロセスによるCuO/ZnOヘテロ接合において、界面を触媒とするCO酸化反応を行わせた結果、反応速度が印加電圧に依存して変動するという新規機能の発現が確認され、その機能発現にはCu^+のZnOへの拡散に伴うZnO表面の高抵抗層の存在が必要となることが確認された。
|