研究課題/領域番号 |
06454391
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研究種目 |
一般研究(B)
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
山本 康久 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10122459)
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研究分担者 |
岩本 末治 川崎医科大学, 医学部, 講師 (60168599)
角田 司 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00110841)
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キーワード | 化学発癌 / BOP / Svrian golden hamster / 胆道癌誘発モデル / 膵癌 / 早期肝外胆管癌 / 早期胆嚢癌 / 肝内胆管癌 |
研究概要 |
7週齢ハムスターに胆管を十二指腸壁流入部直上で結紮離断し、胆嚢を十二指腸と吻合する下部胆管離断兼胆嚢十二指腸吻合モデル(CD)群と単開腹のみを行ったSL群を作製し、術後5周目よりBOPを体重kg当たり10mg、週1回、連続9週間皮下投与した。BOP投与後12週、16週、20週の各時期に屠殺剖検し、肝・胆道・膵系は一塊として摘出し、10%ホルマリンで固定した。総胆管最大径と、膵癌、肝外胆管癌、胆嚢癌、肝内胆管癌の各発生率を2群間で検討した。統計学的有意差検定は、腫瘍発生頻度にはχ^2検定、総胆管最大径にはt検定を用いた。有効数はCD群12週19匹、16週21匹、20週22匹の計62匹で、SL群はそれぞれ20、20、18匹の計58匹であった。総胆管最大径は12、16、20週でSL群が0.71、0.95、1.26mm、CD群は4.6、5.5、5.3mmを示し、CD群はSL群に比し、有意に総胆管の拡張を認めた。膵癌の12、16、20週における発生率はCD群53、81、82%、SL群45、85、89%で2群間に有意差はなかった。肝外胆管癌の発生率はCD群16、24、41%、SL群0、5、0%、胆嚢癌の発生率はCD群58、81、82%、SL群0、5、11%、肝内胆管癌の発生率はCD群37、76、86%、SL群0、20、56%であり、肝外胆管癌、胆嚢癌、肝内胆管癌のいずれもCD群はSL群に比し有意に高い発生率を示した。さらに今回新たに発生した肝外胆管癌と胆嚢癌の肉眼形態と組織型を検討した。肝外肝管癌は62匹中17匹(27%)に発生し、5匹が多中心性発癌で発生総数は24個であった。22個が胆管壁内に留まる早期癌で、16個がpolyp型の管状腺癌、6個が平坦型の乳頭線癌であった。胆嚢癌は46匹(74%)に発生し、癌の発生総数は46個で胆嚢壁内に留まる早期癌が22個であった。22個の早期癌は全例polyp型を示し、21個が乳頭線癌であった。肝外胆管癌・胆嚢癌ともに肉癌形態と組織型がヒトの早期癌によく類似していた。
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