研究課題/領域番号 |
06454396
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中島 伸之 千葉大学, 医学部, 教授 (40241947)
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研究分担者 |
鬼頭 浩之 千葉大学, 医学部付属病院, 助手 (40261903)
中谷 充 千葉大学, 医学部付属病院, 助手 (60261921)
増田 政久 千葉大学, 医学部付属病院, 講師 (50157210)
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キーワード | 慢性肺塞栓症 |
研究概要 |
1994年12月までに当科で外科的治療を試みた慢性肺塞栓症22例の治療効果を検討し、その有効性ならびに病態につき以下の知見を得た。 1.手術死は3例で全体の13.6%であった。 2.術式は血栓内膜摘出術であるが、血栓の占拠部位への到達法として、開胸法を14例・胸骨正中切開法を8例に用いた。到達法による手術成績の差は認めなかった。 3.術前の肺血管抵抗値は835.3±316.3 dynes・sec・cm^<-5>、平均肺動脈圧は45.7±7.6mmHg、深系数は2.52±0.49 1/min/m^2であった。 4.生存例の術後の肺血管抵抗値は377.4±121.4 dynes・sec・cm^<-5>、平均肺動脈圧は28.3±7.5mmHg、心系数は3.19±0.53 1/min/m^2と術前に比し有意に改善し、術後のQOLも向上した。 5.今回の対象とした22例のうち深部静脈血栓症の合併症が明らかなものは6例(27%)に認められた。 本症性に対する外科治療は、現時点では心肺移植をしのぐ有効な手段と考えられた。また、本症の病因としてあげられている深部静脈血栓症の合併が意外に低く、ほかの病因(例えば肺動脈炎や血液凝固線溶系ならびに血小板機能の異常など)も念頭におく必要があろう。
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