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1995 年度 実績報告書

慢性肺塞栓症のモデル犬作成による病態と治療の解明

研究課題

研究課題/領域番号 06454396
研究機関千葉大学

研究代表者

中島 伸之  千葉大学, 医学部, 教授 (40241947)

研究分担者 茂木 健司  千葉大学, 医学部・附属病院, 医員
鬼頭 浩之  千葉大学, 医学部・附属病院, (助手) (40261903)
中谷 充  千葉大学, 医学部・附属病院, (助手) (60261921)
増田 政久  千葉大学, 医学部・附属病院, (講師) (50157210)
キーワード慢性肺塞栓症 / 外科治療成績 / 実験モデル犬 / セラミック・ビーズ
研究概要

(1)平成6年度の外科治療成績の検討に引き続き,今年度はその治療の効果を遠隔期のデータをもとに検討した。(対象)対象は,術語生存し得た21例である。(結果)(1)NYHA重症度分類:術前I度0例,II度2例,III度15例,IV度4例であったが,術後I度6例,II度11例,III度3例,IV度1例に改善した。(2)動脈血液ガス(ROOM AIR):術前PO2;57.1±8.4mmHg,術後1ケ月PO2;62.8±11.9mmHg,術後6ケ月PO2;76.7±9.4mmHgと有意に改善傾向を示した。(3)循環動態:術前平均肺動脈圧45.3±7.4mmHg,術前心係数2.6±0.5l/min/m^2,術前肺血管抵抗値795.7±285.9dynes・sec・cm^<-5>であったが,術後2〜3ケ月には各々29.5±8.2mmHg,3.2±0.5l/min/m^2,407.8±177.6dynes・sec・cm^<-5>と有意に改善した。
(2)実験モデルの作成:トタネキサム酸経口投与下に下大静脈内に血栓を発生させ,この血栓により肺塞栓症モデルを作成することを試みたが,目的とする慢性肺動脈塞栓犬の作成には至らなかったため,アルミニュウムでコーティングされたセラミック・ビーズを用いたモデル作りを検討し,その技術を,現在,米国カリフォルニア大学サンディエゴ分校にて修得中である。
(まとめ)本症における外科治療は,その治療直後より循環動態の改善を認めるとともに,動脈血液ガス所見においても遠隔期(6ケ月)には,有意に改善していることが判明した。また,NYHA重症度分類でも大多数の症例において改善傾向を認め,QOLの向上をもたらすことが示唆された。しかし,治療成績は,未だ満足すべきものではなく,その原因となる術後再灌流障害などの病態の解明には実験的検討が必須であり,慢性モデル犬の作成を引き続き試みる所存である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 中島伸之: "肺動脈塞栓症" 胸部外科. 48. 51-61 (1995)

  • [文献書誌] 中川康次・増田政久: "慢性肺動脈血栓塞栓症の手術治療" 静脈学. 6. 21-30 (1995)

  • [文献書誌] 増田政久.他: "慢性肺塞栓症に対する手術経験" Theropeutic Research. 16. 1322-1323 (1995)

  • [文献書誌] 増田政久・中島伸之: "肺血栓塞栓症の治療法の選択はどうあるべきか?外科の立場から." 血栓と循環. 3. 190-192 (1995)

  • [文献書誌] 増田政久・茂木健司他: "肺塞栓症の凝固能と外科手術に関する検討" 厚生省特定疾患難治性・血管炎調査研究班 1994年度 研究報告書. 197-198 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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