研究課題/領域番号 |
06454579
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中村 進治 北海道大学, 歯学部, 教授 (80001791)
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研究分担者 |
今井 徹 北海道大学, 歯学部, 助教授 (40160030)
脇田 稔 北海道大学, 歯学部, 教授 (40018916)
佐藤 嘉晃 北海道大学, 歯学部, 助手 (00250465)
上野 拓郎 北海道大学, 歯学部, 助手 (70250462)
石川 博之 北海道大学, 歯学部附属病院, 講師 (20184492)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 歯の移動 / 歯根膜 / 光計測 / 全ヘモグロビン量 / 酸素化ヘモグロビン量 / 至適矯正力 |
研究概要 |
本考案は、歯根膜の血流動態の光計測を応用して、歯の移動中の歯周組織の状態を生体から直接無侵襲でとらえる方法を確立し、さらに矯正臨床における歯の移動のモニタリングシステムを開発することを目的として行われた。まずネコ上顎犬歯を用いた歯の移動実験において、近赤外光歯根膜血液量計測装置の至適矯正力の判定に対する有効性について検討した。歯根膜の血流動態については、歯に荷重を負荷した際の圧迫側歯頚部歯根膜の全ヘモグロビン量および酸素化ヘモグロビン量の変化を計測し、以下の知見を得た。 1.歯の移動開始前の正常歯根膜では、定常状態から荷重を負荷すると全ヘモグロビン量は大きく減少したが、酸素化ヘモグロビン量では変化がみられなかった。 2.歯の移動量が大きく矯正力が適度であると考えられた例では、新たな荷重に対して全ヘモグロビン量および酸素化ヘモグロビン量ともに大きな変化を示した。 3.歯の移動量が小さく矯正力が弱すぎると考えられた例では、新たな荷重に対して酸素化ヘモグロビン量に大きな変化は認められず、また歯の移動量が小さく矯正力が強すぎると考えられた例では、全ヘモグロビン量および酸素化ヘモグロビン量ともに全く変化がみられなかった。 4.組織切片の観察から、上記の血流動態の計測結果の違いは、歯の移動中の歯根膜の代謝活性の差異に基づくものと考えられた。 以上より、本計測系の至適矯正力判定に対する有効性が確認された。そこで、半導体レーザ系近赤外三波長吸光度測定装置を本計測系に接続して光源をレーザに変え、人体への応用をはかった。これまでのところ、正常歯根膜については、実験動物と同様の血流動態の計測結果が得られた。
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