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1994 年度 実績報告書

準定常作動MW級アークヒ-タを用いた高エンタルピ多機能風洞の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 06555294
研究種目

試験研究(B)

研究機関大阪大学

研究代表者

吉川 孝雄  大阪大学, 基礎工学部, 教授 (00029498)

研究分担者 森本 進治  石川島播磨重工(株), 技術研究所, 部長(研究員)
小林 明  大阪大学, 溶接工学研究所, 助教授 (70110773)
田原 弘一  大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (20207210)
キーワードアークヒ-タ / プラズマ流 / 高エンタルピ流れ / 空力加熱 / 再突入 / 耐熱材料 / 高融点材料
研究概要

準定常作動型1MW級高エンタルピアークヒ-タを設計製作し、その作動特性(温度、圧力、放電電圧、放電電流などの関係)を測定した。始動方法として、高電圧パルス印加法を用い、電極損耗のほとんどない安定な始動法を開発した。次に、測定室における流れ場の状態を静電プローブとエンタルピプローブを用いて測定し、大気圏再突入時の空力加熱をシミュレートできることを確認した。さらに、アークヒ-タ内部の化学反応を伴う流れ場をモデル化し、数値解析した結果、中心アーク温度15000K、高密度のアーク柱が形成され、効率良い作動気体の加熱が行われていることがわかった。
さらに、開発したアークヒ-タを用い、実際に高融点セラミックコーティングを行い、その有効性を検討した。ブラスト処理を行ったS45C基板は陽極ノズル先端より50〜150mm下流に設置された。作動ガスにAr(1.37g/s)を用い、放電電流値5〜15kAの範囲で100発の作動によりセラミックコーティングを行った。
セラミックの構成原子であるA1原子のフロント速度をストリークカメラが測定した結果、通常のプラズマジェットに比べて1オーダー大きい速度が得られることがわかった。これにより陰極先端付近では高速・高圧プラズマ(10〜100km/sec、1気圧程度)と蒸発せラミック構成原子の活発な運動量交換が行われていることが推測され、成膜プロセスにおいては付着特性の向上が大いに期待される。
成膜実験の結果、セラミックの供給率は1.1〜7.5mg/shotであった。この時、コーティングされた基板断面のSEM写真から、膜厚は約15μmであった。また皮膜の内部には一般的なプラズマ溶射皮膜で観察されるような径10μm級の大きな気孔は観察されなかった。これは通常のプラズマ溶射では溶射材料として粒径10〜50μmの粉末を使用するのに対し、アークヒ-タでは陰極先端でアーク加熱されたセラミック材がより細かい粒塊、もしくは蒸気となって基板表面に到達するためと推測される。
基板温度200〜400℃の範囲では温度上昇に伴い皮膜のビッカーズ硬度は著しく増大した。温度400℃では1200以上という高い値が得られた。また、コーティング膜のXPSスペクトル解析より、その膜のSi/Al比は元のセラミックのそれとほぼ等しく、AlとSiの価数も変化していないこともわかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yoshifumi Yamamoto: "Thrust Performance and Life Evaluation of a 1-kW-Class Arcjet Thruster" 19th Int.Symp.on Space Techonology and Science. a-53. 1-6 (1994)

  • [文献書誌] Kazuhito Komiko: " Optical Measurement and Namerical Analysis of 10-kW-Class Steady-State Arcjet Flowfields" 19th Int.Symp.on Space Technology and Science. a-51. 1-7 (1994)

  • [文献書誌] Kazunori Mitsuo: "Diagnostics and Analysis of Quasi-Steady One-Simensional Magnetoplasmadynamic Flowfields" 19th Int.Symp.on Space Technology and Science. a-47. 1-7 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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