水稲の生育・収量の広域モニタリング・予測システムの開発

1995 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 06556003
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 堀江 武 京都大学, 農学部, 教授 (90181528)
• 研究分担者: 井上 吉雄 農業環境技術研究所, 環境管理部, 研究室長 ; 清野 豁 農業環境技術研究所, 環境管理部, 科長 ; 中川 博視 京都大学, 農学部, 助手 (90207738) ; 大西 政夫 京都大学, 農学部, 助手 (80185339) ; 稲村 達也 京都大学, 農学部, 講師 (00263129)
• キーワード: 水稲 / 生育予測モデル / モニタリング / メッシュ気候 / リモートセンシング / 障害不稔 / 窒素栄養 / 広域

研究概要

1.水稲生育・収量と環境の関係についてのデータベースの構築
モデル開発の基礎データとなる、水稲の生育・生産過程と窒素、気温、日射など環境条件の関係についてのデータを既往の報告書、実態調査および圃場実験から収集し、Excellによるデータベースを構築した。
2.メッシュ気象情報システムの構築
メッシュ気候値、国土数字情報およびアメダスデータをもとに、福井県の各1km区画毎のメッシュの気象を推定するプログラムを開発した。
3.圃場生体情報の遠隔計測方法の開発
水田からの波長別電磁波の遠隔計測データをもとに、稲体葉面積指数、窒素濃度などの生体情報の非破壊計測によって、これらが妥当な精度で推定できることを明らかにした。
4.水稲生育予測モデルの開発
気象の経過から幼穂の発達段階を推定するサブモデルの有効性、および水田土壌での窒素無機化速度の予測サブモデルの有効性を明らかにした。

研究成果

• [文献書誌] Horie Takeshi: "Temperature gradient chamber for research on global environment change. III. A system designed for rice in Kyoto, Japan" Plant Cell and Environment. 18. 1064-1069 (1995)
• [文献書誌] Horie Takeshi: "The rice crop simulation model SIMRIW and its testing" CAB International. Modelling the impact of climate on rice in Asia(289 P.). 51-66 (1995)
• [文献書誌] Angus, J. F.: "A preliminary study to predict net nitrogen mincralization in flooded rice soil using anaerobic incubation" Australian J. of Exp. Agric.34. 1064-1069 (1995)
• [文献書誌] Nakagawa Hiroshi: "Environmental factors affecting rice responses to elevated carbon dioxide concentrations" International Rice Rescarch Notes. 19. 45-46 (1994)
• [文献書誌] 中川 博視: "イネの発育過程のモデル化と予測に関する研究・第2報・幼穂の分化・発達過程の気象的予測モデル" 日本作物学会紀事. 64. 33-42 (1995)
• [文献書誌] 清野 豁: "気候温暖化が我が国の穀物生産に及ぼす影響" 農業気象. 51. 131-138 (1995)
• [文献書誌] 井上 吉雄: "電磁波計測による作物診断情報の遠隔評価法" 農業技術. 50. 414-418 (1995)
• [文献書誌] Inoue Yoshio: "Estimating biomass, LAI, and photosynthetic capacity of rice canopies based on radiometry" Proc. 2nd Asian Crrop Sci. Conf.(1995)