研究課題/領域番号 |
06558090
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
鈴木 正昭 岐阜大学, 工学部, 教授 (90093046)
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研究分担者 |
黒住 精二 帝人株式会社, 医薬事業本部, 部長
根岸 学 京都大学, 薬学部, 助教授 (60201696)
野依 良治 名古屋大学, 理学部, 教授 (50022554)
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キーワード | プロスタサイクリン / 受容体探索子 / イソカルバサイクリン / APNIC / 15R-TIC |
研究概要 |
本研究者らが独自に案出した3成分連結PG合成法を駆使して、PG受容体探索子としての受容体アゴニストおよびアンタゴニストの分子設計に用いる基本PG中間体の高効率合成法を確立することができた。この手法により大量合成が可能となったイソカルバサイクリンは現在、虚血性脳疾患および抹消血管閉塞症治療を対象に臨床試験に供されている。また、本研究者らは既に、PGI_2人工類縁体であるイソカルバサイクリンの構造修飾により光親和性受容体探索子(APNIC)を開発し、ヒト血小板等のPGI_2受容体タンパク質を同定するともにそれらの糖タンパク質受容体の分子量を決定している。今回、さらにそのω側鎖部の系統的な構造修飾により、中枢神経系である視床部位のPGI_2受容体に強くかつ特異的に結合する受容体探索分子(15R-TICと命名)を開発した。この探索分子は延髄孤束核(nucleus tractus solitarius,NTS)に分布する末梢型PGI_2受容体とは結合せず、中枢神経系である視床部位(thalamus)の受容体に強く結合する。現在、この新規受容体の機能の解明を目的とした生化学実験が進行中である。一方、共同研究者である根岸らはヒトプロスタサイクリン受容体のcDNAのクローニングに成功し、その遺伝情報から受容体タンパク質部分の一次構造を提出した。現在、ポイントミューテーション手法に基づくPGI_2受容体タンパク質の人工変異体の作成と、探索分子との構造活性相関を検討している。また、黒住らは分子モデリングによるリガンド-受容体分子作用機作の解析のため、根岸らの解析した受容体タンパク質の一次構造から3次元構造の構築を行なうべく準備に入っている。
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