1 X相談室のクライエント・データの収集 本年度は1994年の新規クライエント309例のデータにかんして、ケースファイルをもとにデータの確認、整理作業をおこない、40以上の項目にかんするデータをコード化して入力する作業を実施した。 2 クライエント・データの分析 1992年、1993年、1994年の新規クライエントにかんするデータについて、各項目にかんする単純集計、項目間のクロス集計などをおこない、3年間のクライエント・データをもとにした私的相談機関の社会的役割と、臨床ソーシャルワーク実践の効果を、種々の角度からあきらかにすることを試みた。 3 事例分析による臨床ソーシャルワークの援助方法・援助技法と効果 事例分析にあたっては、プライバシーの保護に留意して以下のような手続きをとって事例を作成し、それをもとに援助方法・技法の整理分析と、援助効果の分析をおこなった。中心的問題が「家族関係問題」(家族の情緒的葛藤関係、夫婦関係、ACOA/ACOD)であるケースで、クライエントがIP以外の家族員であるケースまず選び、そのなかから比較的類似の問題をかかえ、かつ類似の援助過程を経ているケースを複数選択する。そして、それらをもとに転帰内容が終結、継続、オープンエンド、中断のケース事例を複数作成する。ただし、援助開始後の面接相談回数やその内容、その他プログラム活用過程については、基本的にあるケースをもとに作成し、その内容にかんしては最小限の情報のみを入れる。
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