研究課題/領域番号 |
06610439
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
村里 好俊 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (30116298)
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研究分担者 |
大塚 定徳 鹿児島純心女子大学, 国際言語文化学部, 教授 (30041750)
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キーワード | サ-・フィリップ・シドニー / メアリ・ロス / ニュー・アーケイディア / モントゴメリ伯令夫人のユレイニア / フェミニズム批評 / 父権制社会 / 女のアイデンティティ |
研究概要 |
研究代表者、村里は、シドニー『ニュー・アーケイディア』第二巻、第十一、十二章を解読し、それを流麗典雅な日本語に移し替え、また、非常に綿密詳細な注解[四百字詰原稿用紙凡そ三十枚]を付して、勤務先の大学紀要に発表した。原文には、二種類の歌が含まれ、この翻訳にはかなり苦労したが、それなりの趣を備えた日本語になっていると自負している。また、注解では、筆者なりのユニークな見方・解釈を提出しており、いずれ論文・研究書へと繋げて行けるものと思われる。なお、「第二巻」については、今年中に全てを翻訳して、出版する予定である。 欧米の学会で、最近頓に脚光を浴びているメアリ・ロスについては、「メアリ・ロス復権」の中で、女性作家としての先駆的業績を探るため、彼女の生きた時代と生涯との関連を吟味し、彼女の代表作『モントゴメリ伯令夫人のユレイニア』の内容分析を、フェミニズム批評の視点から行った。父権制社会の圧力の下で、宮廷女性として波瀾万丈の人生を生き、それをモデルにして作品化して行ったメアリ・ロスは、自立したイギリス女性作家としての第一号と称して過言ではない。シドニーの姪として、伯爵令嬢として名門の出に生まれた彼女は、自ら進んで私生児を産み、作品の中に宮廷の内情を描き尽くし、外圧にもかかわらず、自立した女性として生き、作品の女主人公には、自分とは、女性とは何か、という自らのアイデンティティを問い、それを探求させる。正に現代の深刻な問題を先取りした女性であり、作品であったのである。
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