1.研究の課題・方法・視角 (1)女性労働者のキャリア形成と雇用管理の実態を明らかにすること、ならびに女性労働者のキャリア形成にとって何が有効であり、何が問題点なのかを析出することが研究課題である。 (2)本研究では、企業と女性労働者から女性労働者のキャリア形成と雇用管理に関する聴取調査を行った。この調査結果を分析する際に立脚している視角は雇用における男女平等という立場である。 2.女性労働者の雇用管理 日本における女性労働者の雇用管理を総体として見ると、雇用における男女平等は進展してないといえる。企業は近年、女性労働者を活用するようになって来たが、管理職における女性の割合は低く、男女賃金格差は依然として縮小していない。 3.女性労働者のキャリア形成と雇用管理の実態 しかしながら、少なくない企業で女性労働者のキャリア形成のために様々な工夫を行っている。それは、雇用上の工夫、配置上の工夫、人事管理上の工夫、教育訓練上の工夫、管理職への登用、労働条件の改善、両立支援制度の充実等である。これらの企業でも、キャリア形成上の問題点を抱えており、その最大のものは女性に対する伝統的労務管理である。
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