研究分担者 |
安田 茂 鹿児島大学, 工学部, 助手 (30253909)
三好 真 国立天文台, 地球回転研究系, 助手 (50270450)
柴田 克典 国立天文台, 地球回転研究系, 助手 (60222030)
久慈 清助 国立天文台, 地球回転研究系, 助手 (40132675)
笹尾 哲夫 国立天文台, 地球回転研究系, 教授 (20000177)
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研究概要 |
前年度のアンモニアの分子輝線観測によって音響光学型分光計が使用できる事を確認した。今年度は、データ解析用ソフトウエアの改良を行った。その結果、多量のデータが扱えるようになった。また、本格的な銀河面サーベイ観測がもっとも効率的に行えるように、観測用プログラムの改良を行った。 観測した領域は、おうし座分子雲、ペルセウス座分子雲、オリオン座A分子雲、W3OH、W49N、銀河中心の各領域である。(1,1-1,1)と(2,2-2,2)の2本の分子輝線の強度分布を調べる事で、ガス運動温度の分布を求めた。これらの結果、(2,2-2,2)の強度が十分な強さで受かる領域が小さい事から、ガス運動温度が50Kを超える領域の広がりが小さいことがまず判明した。 さらに、これまでに観測された我々とは異なるビームサイズのアンモニア分子輝線の観測との比較から、1万個/ccの水素分子密度を超える高密度分子ガスの占める割合(フィリングファクター)の分布を調べた。その結果、銀河系中心部とオリオン座A分子雲では、その割合が異る事が判明した。 今後、1万点以上の観測点数のデータを取得して、以上得られつつある知見をより詳細に調べていきたい。 また、アンモニアの分子輝線とほぼ同時にデータを得た水メーザー輝線の観測データから、W49Nでバースト的な輝線強度の増加についての時間分解能の高い情報を得ることができた。音響光学型分光計でモニターして、天体の強度が変化した時に詳細なVLBI観測を行うという新しい試みが可能である事が示された。
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