研究課題/領域番号 |
06640848
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
小池 裕幸 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (60201480)
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研究分担者 |
菓子野 康浩 姫路工業大学, 理学部, 助手 (20221872)
佐藤 和彦 姫路工業大学, 理学部, 教授 (00090522)
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キーワード | シトクロムb6 / f複合体 / 好熱性ラン色細菌 / ヘプチルチオグルコシド / チラコイド膜 / デュロキノン |
研究概要 |
本年度はラン色細菌シネココッカスのチラコイド膜を用い、シトクロムb6/f複合体の活性の測定法の確立と抽出・精製法の確立をめざして実験を行い、以下のような成果を得た。 (1)シトクロムb6/f複合体の活性は、通常還元型デュロキノン(テトラメチルベンゾキノン)からシトクロムcへの電子伝達速度を測定して求める。測定には粉末の還元型デュロキノンをエタノールに溶かして使用していたのであるが、同一の試料を測定してるにも関わらず時間と共に活性が低下していく現象がみられた。これはデュロキノンが酸化していくためだということが分かり活性の測定には直前にデュロキノンを還元し、1時間以内に測定を終了させることで問題は解決した。その結果、それまでの測定値の2〜3倍の活性が得られるようになった。 (2)測定方法を確立したので、次にシトクロムb6/f複合体の抽出と精製にとりかかった。 (1)複合体を抽出する界面活性剤の検討:オクチルグルコシド、ヘプチルチオグルコシド(HTG)、トリトンX-100、ドデシルマルトシドを可溶化剤として検討し、HTGが効率よく、しかも活性を落とさずに複合体を抽出することがわかった。(2)抽出法の検討:チラコイド膜から複合体を前処理なしに抽出すると膜に固く結合していたフィコシアニンが一緒に抽出されてしまい、あとの精製が困難になることが分かったので、あらかじめチラコイド膜を1M NaBr溶液で処理しフィコシアニンを除くことで、フィコシアニンの混入を大きく抑えることが出来た。(3)精製法の検討:常法に従ってまず硫安分画を行い、その後ショ糖の連続密度勾配遠心により複合体を部分精製した。しかしこの画分にはまだ夾雑タンパク質が多いので、カラムクロマトグラフィーによる精製を試み、現在その分離条件を検討している。
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