平成7年度は、飽和NaCl溶液中に浸漬した反応性骨材含有モルタルの膨張と細孔溶液の組成の関係から見た促進膨張試験のもつ意味についての検討を行った。 本年度の成果は下記のようにまとめられる。 (1)飽和NaCl溶液中の反応性フリント含有モルタルのOH^-イオン濃度は、38℃の1N NaCl溶液中のものと同様に浸漬後に上昇するが、上昇後の最大値はもとのモルタル中のアルカリ量に比例して大きくなる。 (2)飽和NaCl溶液に浸漬した反応性フリント含有モルタルの膨張は、湿気槽中のものより約2倍以上大きな膨張量を示し、両者における膨張量の間には非常に良好な相関関係が存在する。 (2)飽和NaCl溶液中においては、骨材の反応性および劣化構造物の残留膨張性をより明確に判定することが可能であることが、理論的にも証明された。
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