研究概要 |
緊張係留された水中トンネルの非線形挙動の解明のために,水中トンネルを係留索により鉛直および斜め係留された場合を理論的に検討し,以下のような結果を得た。 [自由振動解析] (1)海底面位置の増加とともに,水平・上下方向の固有周期は単調増加し,またトンネル設置水深を増加させれば両周期とも単調減少する。 (2)斜レグ角度が増大すると,水平と上下周期が接近し,一次同調を避けられる周波数領域が狭くなる。また,上下方向周期はレグの軸剛性のために全領域にわたって低い値でほぼ一定値を示す。 [周波数応答解析] (1)鉛直係留は,海底面位置,設置水深によって水平方向変位の値が大きく変化するが,水平方向力によるスラックは発生しない。 (2)斜め係留の場合,水平方向変位量は鉛直係留に比べて格段に小さくなるが,張力の変動振幅が大きくなり,スラックは発生が見込まれる。ただし,設置水深,斜レグの傾角を変化することにより,発生張力は大幅に改善される。 [非線形応答解析] 解析法としてスラックとト-ト状態に応じた運動方程式の解を接続し応答を逐次追跡する手法を検討し,スナップ荷重を含む非線形挙動を数値的に再現できた。
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