研究概要 |
波浪を受ける緊係留された水中トンネルの非線形挙動の検討を数値解析的に行い,以下のような結果を得た。 [1]スタック・スナップの発生について ・鉛直係留タイプは水平変位が大きいがスラックの発生を免れる。 ・斜め係留タイプでは,鉛直のレグも含まれる係留システムは,他のタイプと比較して低い波高でスラック・スナップが発生する。 ・斜め係留システムでは,鉛直レグのみから成るタイプと比べて,スラックは発生しやすくなる。しかし,トンネル本体比重を小さくしたり,係留索角度を大きくする等によりスラックの発生を防止できる。 ・トンネル本体の大きさは,スラック,スナップの発生に大きな影響を与えない。 ・レグに生じる発生張力の状態によって,緊張係留された水中トンネルの応答状態は,概略次の三つに分類できる。 1)領域-A:レグが安定な状態。 2)領域-B:レグが弛んだ状態(スラック状態)。 3)領域-C:レグに準衝撃的な荷重(スナップ)が発生する状態。 ・レグの発生張力の大きさは,解析に用いられる減衰力係数にも依存し,波高が大きいときに影響を受ける。 [2]非線形同調解析について 係留索の幾何学的剛性効果を考慮すれば,トンネルの固有周期の1/2近傍の周期を持った波の上下方向力によって,係数励振型の不安定現象が現れる。
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