研究概要 |
波浪を受ける緊係留された水中トンネルの非線形挙動の検討を数値解析的に行い,以下のような結果を得た。 (1)非線形応答の解析法として,係留索のスラックとト-ト状態に応じた運動方程式の解を接続し応答を逐次追跡する手法を提示し,それによる結果は他の研究機関で行なわれた実験結果と良い一致を得た。 (2)レグに生じる発生張力の状態によって,緊張係留された水中トンネルの応答状態は,概略次の三つのに分類できる。 1)領域-A :レグが安定な状態。 2)領域-B :レグが弛んだ状態(スラック状態)。 3)領域-C :レグに準衝撃的な荷重(スナップ)が発生する状態。 (3)鉛直係留システムでは,復元力の非線形性の扱いが問題になる。また,この係留タイプの特徴は,水平変位が大きいがスラックの発生を免れること,および水平変位は波の入射角の増大とともに大きくなること。 (4)斜め係留システムでは,鉛直係留システムに比べて水平方向の剛性が増大し,水平方向変位が格段に小さくなるが,スラックは発生しやすくなる。しかし,トンネル本体比重を小さくしたり,係留索角度を大きくする等によりスラックの発生を防止できる。また,トンネル函体間の剛性の相違(剛または柔)は,水平方向変位の大きさに影響を与えない。 (5)レグに発生する張力の大きさは,波高に大きく依存しする。 (6)トンネル本体の大きさは,スラック,スナップの発生に大きな影響を与えない。
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