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1995 年度 実績報告書

分泌発酵法による有用油脂の生産

研究課題

研究課題/領域番号 06660123
研究機関福山大学

研究代表者

秦野 琢之  福山大学, 工学部, 助教授 (60198752)

研究分担者 松崎 浩明  福山大学, 工学部, 助手 (90222299)
福井 作蔵  福山大学, 工学部, 教授 (60013299)
キーワードトリアシルグリセロール / 酵母 / 菌体外生産 / トリグリセリド-タンパク質 / Trichpsporon sp. / Saccharomyces cerevisiae
研究概要

本研究は、脂質を分泌・菌体外蓄積する微生物菌株を育種し、これにより、有用油脂(燃料、機能性脂質など)を分泌発酵法で生産する独創的技術の開発を目指すものである。平成6〜7年度においては、目的微生物の育種実験ならびに油脂生成・膜透過の特性解析を行った。
1.脂肪酸基質をトリアシルグリセロール(TG)に変換・菌体外蓄積する酵母Trichosporon sp.より、当該能力強化株を育種した。取得株(E228株)が生産するTGの構成脂肪酸3分子のうち1分子がパルミトレイン酸(皮膚の老化防止、脳卒中患者の延命効果あり)であるところから、本菌のTG発酵生産系は単に燃料油脂の生産にとどまらず、機能性油脂生産システムとしての意義をもつ。
2.Trichpsporon sp.低細胞比重株より、グリコースからTGを生成・菌体外蓄積する変異株L-12株を選別した。これにより、糖基質から直接TGを分泌生産し得ることを実証した。基質濃度を高めることで、TGの消費を抑制し、菌体外蓄積量を増加させ得ることを示した。
3.L-12株を生物材料として、TG-結合タンパク質(分子量約45、30、20、9kDaなど)の存在を立証した。複数分子種の結合タンパクが細胞内外に配位することでTGへの親和性勾配が形成され、これに依存して細胞内外へのTGの膜透過がおこる機構を提案した。
4.酵母Saccharomyces cerevisiaeのTG分泌変異株を造成した。遺伝解析可能な酵母菌株でTGの分泌を提示した例はなく、これにより、TG膜透過の分子機構を解析することが可能となった。得られる知見を、油脂生産微生物の育種に適用できる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T. Yagi et al.: "Extracellular production of palmitoleic trigycerides by a yeast, Trichosporon." J. Ferment. Bioeug.,. 77. 164-168 (1994)

  • [文献書誌] Y. Nojima et al.: "Extracellular formation of triglycerides from glucose by a mutant strair of Trichosporon." J. Ferment. Bioeug.,. 80. 88-90 (1995)

  • [文献書誌] 福井作蔵: "燃料油脂を分泌生産する微生物の選択・育種" BIO INDUSTRY. 12. 36-46 (1995)

  • [文献書誌] 福井作蔵: "発酵法による液体燃料の生産は可能か-脂質の分泌生産-" 油化学. 44. 135-142 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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