研究概要 |
これまでに採られてきた森林政策の問題点を明らかにするため、アメリカ合衆国の森林政策(州森林施業法および自発的森林施業規制)を取り上げ、資源的側面、経済的側面、および環境保全的側面からその歴史的分析および現状分析を行った。 その結果、アメリカ合衆国においては1960年より前は主として資源的側面が重視され、採種用の母樹保存のために森林施業を規制することが考えられてきたが、1960年以降、森林開発が環境に大きな影響を与えること、とくに水質に対して大きな影響を与えることが指摘されるようになり、水質保全を考慮した森林施業法あるいは自発的森林施業規制が採用されるようになったことが明らかになった。また施業規制の方法は地域によって大きく異なり、主として北西部では法律によって、他の地域では自発的あるいは半強制的森林施業規制によって環境保全に配慮した施業が行われるようになったことが明らかとなった。 したがって今後モデルによるシミュレーション区際して、環境保全を配慮する場合、その一つの主要な要素として水質保全を考慮すべきこと、また施業規制の方法として,法律によるのが有効であるのか、自発的施業規制によるのが有効であるのかを確認する必要があることが明らかとなった。 さらに、モデル構築のための従来の研究サ-ベ-の結果、森林成長モデルに関する従来の多くの研究は自然科学的観点から個別の様分の成長を対象としたものであり、マクロに森林の成長をモデル化したものがほとんど見られないことが明らかとなった。現在、従来の森林成長モデルを参考にしながら、マロクな森林成長モデルをシステムダイナミックスにより開発中である。
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