研究課題/領域番号 |
06660194
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
石井 弘 鹿児島大学, 農学部, 教授 (90032557)
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研究分担者 |
松下 幸司 京都大学, 農学部, 助教授 (90199787)
吉田 茂二郎 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (80128462)
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キーワード | 大隅半島 / 台風13号 / 台風被害 / 森林災害保険 / 森林施業 |
研究概要 |
今年度も交付申請書の計画にしたがって研究を行った。まず、平成3年の台風19号が全国規模で森林に大きな被害を与えたが、その被害に関連して福岡県、大分県、熊本県等の被害調査報告書をとりまとめるとともに、今回の被害およびその要因をこれらと比較しながら解析した。 次に、森林共済保険罹災野帳を被害件数の最も多かった曽於地区森林組合と南大隅森林組合から入手し、データを整理集計し、林分構造、施業法、およびその他の要因と被害の関連に着目してデータを分析し、これらの要因がどの程度被害に関与していたかを解析した。その結果、林分構造がこれまで密度管理が中庸で標準的であるといわれている収穫表の値と大きく異なり、収量比数、相対幹距および形状比の指数の分析からも罹災林分が幼齢の段階で異常に早い成長を示している林分で、これが被害の一因であると推察された。 また、森林被害を受けた森林所有者および林業経営者が森林被害保険をどの程度把握し、利用しているかの意識調査をアンケート方式で行い、総数629を得た。それらを分析して、問題を整理し、特に被害の大きかった林家(篤林家)については、個別に面接方式による調査を行い、台風被害の実態、台風前後の森林施業変更の有無、森林被害保険が森林経営にどの程度寄与しているか等詳しく意見を求め、現在の森林災害保険の現状・問題点を明らかにした。 これらの分析結果を統合し、台風による森林被害と森林経営について施業、保険および今後のあり方等の面から取りまとめ、報告書を作成している。
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